RSSって何?

RSSって何?IE7からRSSリーダ機能がついたらしい。ときどきそのマークがオレンジ色になることがあるが、必要性を感じない。ページが更新されるとそのページを見に行かなくてもわかるとかいうのだが、私がよく見るサイトはRSSに対応していない。RSSフィードを探すヒマがあったらページを見たほうが早い。だいたい私が見るところは四六時中更新されているのでそんなもの役に立たない。

一時期プッシュとかプルとかいう話があった。ポイントキャストという、プッシュ形式のサービスがあって、私は素晴らしいなと思っていたのだがすぐにすたれてしまった。プッシュ型というのは放送に近いのだろう。インターネットと放送の融合、ネットで放送しようという動きもあるようであるが、サーフ氏は放送とインターネットがあまり相性がよくないという話をしていた。

放送というのはストリーミング、つまりリアルタイム性をもった音声または動画の配信のことであるが、これは実感できる。youtubeで動画を見るとき、1回目は何度か途中で止まってしまうことがよくある。バッファリングが再生に追いつかないからだ。私はこれがうっとうしいので、最近は見たいビデオを選んで再生が始まったらすぐにポーズボタンを押し、バッファリングが終わるのを待ってから再生している。こんなことをするくらいなら最初からダウンロードして再生させたほうがよい。

ネットではどうしてこういうことが起こるかというと、個別のリクエストに対して放送を行うからである。テレビは一方的に電波を出すだけで、受信者が増えても電波の出力を強力にする必要はない。大勢が視聴したから電波が途切れることもない。ネットではアクセス不能になることさえある。

この不具合を解消するために考えられたのがマルチキャストなのだろうが、マルチキャストははやらないのではないか。ちょっとかじったことがあるのだが、一番の難点は、ネットのルータがすべてマルチキャストに対応していないと使い物にならないことだ。

マルチキャストというのは、基本はプル型であるインターネットに、プッシュ型の機能を持たそうとしている。つまり、インターネットを特定の用途に使用するために修正しようとしている。

サーフ氏はNGNは否定していたがマルチキャストについては触れていなかった。しかし彼のインターネットはアプリケーションに関与してはならない、という原則には、マルチキャストも反しているのではないか。

それよりは、P2Pだろう。P2Pは、既存のインターネットをそのまま利用して、大容量のデータを効率よく配信する仕組みを作った。

私は反Winnyである。winnyを憎悪している。しかしそれはP2Pの原理を憎悪しているのではない。著作権を無視して違法コピーができるようになっているのは、P2PのしくみではなくてWinnyのアプリケーションとしての仕様である。ここをみんな誤解している。Winnyは悪くない、それを悪用するユーザーが悪い、というが、Winnyは違法コピーを目的に作られたアプリケーションであることは間違いない。P2Pの技術を悪用したのである。

私は最近いろんな人のブログを見るようになったが、いつもはもっともなことを言っているのに、P2Pのこと、著作権のことになるとアレ?と思うようなことを言い出す人を二人知っている。多分、この二人はP2Pの恩恵に浴しているのだと思う。結局、WinnyあるいはP2Pを否定するかどうかは、その人がそれを使っているかどうかでしかない。理屈も道徳もへったくれもない。私がWinnyを使わない一番の理由は使えないからである。使いたくても使えないのだ。しかし、Winnyが使えるときでもあまり好きではなかった。ほしくない余計なものまで落ちてしまうことと、偽者が非常に多かったこと、いわゆる「鬼畜」なものが多かったことなどが理由だ。WinnyのUI自身にも、なんともいえない不快を感じた。

Winnyで流通するファイルが鬼畜なものが多いこと、情報漏えいやウィルスが蔓延したことは、Winnyの目的が不正行為であったせいだ。このソフトはMXで逮捕者が出たのを疑問に感じて開発を思い立ったと作者も明言している。

最近私はbittorrentというものを使っている。違法コピーも行われているが、MXやWinnyのようにはガンガン落とせない。ユーザーが少ないのだろう。空いてると遅いという、おもしろいネットワークである。

こう考えてくると、アプリケーションがどうにかすれば、なんとかなる。インターネットは運送屋に徹して、荷物の中身には関与しないことだ。荷物をいかにすばやく運ぶかを極めてくれればよい。最近は伝票番号で簡単に配送状況が確認できるようになった。だがこれも別に荷物に発信機を着けたわけではなく、中継点で伝票番号を記録しているだけである。あとは照会システムを作ればよい。これはアプリケーションでやることである。

こう考えてくると、やっぱりアプリケーションの方が面白そうだな。レイヤーが高いほど面白い、人間的な仕事ができる。NWがつまらないつまらない、とずっと感じていたのはそういうことなんだろう。