BlackBerryが欲しい。iPhone4Sを使っていて、特に不満というわけではないのだが、docomoの端末を1台持っておきたいのである。今はdocomoもauもsoftbankも、「スマホ」をメインにしていて、電車のなかでもタッチパネルの端末を持った人だらけだ。でも「スマホ」は1台で十分だ。androidの端末を買ってみてiPhoneと比較してみたい気もするが、わざわざカネを出して買う気まではない。
以前からBlackBerryはいいなと思っていた。使ったことはないのだが、外観と、なによりQWERTY配列のキーボードが魅力だった。普通の携帯電話(私は「ガラケー」などという言葉は死んでも口にできない。「スマホ」もカッコつきでぎりぎり許容範囲だ)を使っていた時に、インターネットを利用したいのが主な理由で小さなPCを持ち歩きたいとずっと思っていた。しかしPCはどんなに小さくても大きすぎ、バッテリーの持続時間も短く、ACアダプターが必要だったりした。Linux Zaurusを買って見たが、1日で使用に耐えないことがわかった。iPhone3GSを買って、ほとんど私の欲求不満は解消された。心配していたタッチパネル上の仮想キーボードの感度がすばらしかったからである。
ところが最近、いやな傾向が見え始めた。それは、インターネットのサイトやサービスが「スマホ対応」を始めたことである。そもそもどうして「スマホ」が登場したかと言えば、携帯電話で無理やり利用していたインターネットの閲覧性や操作性を向上させることが一番であっただろう。つまり、「PCと同じようにインターネットを利用したい」ということだった。
携帯電話でも、「PCサイトビューアー」などというものが登場していたがやはり携帯電話の画面とキーボードでは限界があった。iPhoneを使い始めた時、flashが動かないとかいろいろと制限はあったが、ほとんどのサイトがPCとほぼ変わらず利用できることに感激し満足した。ところが最近、多くのサイトがiPhone対応もしくは「スマホ」対応を始めてしまった。サイトによっては適切な文字の大きさになって読みやすかったりするのであるが、一番困るのは、「スマホ対応サイト」では、PCで利用する時にはあるメニューやボタンの一部が省略されている場合があることだ。これは非常に腹立たしい。
そもそも、WWWというのは利用する端末を選ばないものなのである。パソコンだってOSも違うし解像度も言語も違うのだが、同じサイトを閲覧することができる。それは、サイトが各OSや言語に対応するようにしているのではなく、サイトもPC(ブラウザ)も仕様にのっとって相手のハードウェアを問わずに使用できるようにしていたのである。利用者の端末によってサービスを変えるのはよいことだと思っているのだろうが、わたしには余計なおせっかいである。
そして最近思うのは、やっぱり「スマホ」のインターネット利用にはまだまだ無理があるということである。それはiPhoneでも言えることである。というより、今までのWEBサイトが、余計な画像、動画、アニメーションなどを使いすぎていたのである。チラチラする広告もそうである。多くの人が携帯電話でインターネットを利用し始めた時、必要なものはそのなかのほんのちょっとの「ことば」つまり文字情報であるのだと気付いたはずだ。
それがカタチをとってサービスとなり世界中に広まったのがtwitterである。私はtwitterでインターネットの原理を再確認したような気がした。最近おこなわれているサイトの「スマホ対応」も、余計なものをけずって文字だけを表示している。画像、動画、音声などはリンクとして付加され、どうしてもという場合だけ参照すればよい。私はもう、インターネットで「マルチメディア」を利用することに全然魅力を感じなくなっている。文字だけでいい。動画はテレビでいい。
というわけで、もう一台端末を持つならBlackBerryと考えているのである。BlackBerryの現行機種は9780とかいうもので、来年に9900という新機種が出る予定のようであるが、これはタッチスクリーンに対応しているようだ。BlackBerryも「スマホ」化の流れにのみこまれつつある。
そもそもBlackBerryが「スマホ」のはしりだったのだが、いまや「スマホ」とは「タッチスクリーンかどうか」であるかのようになってしまった。「スマホ」にやや食傷気味なのだが、「電話とメールで十分」というところにはもう戻れない。動画やゲームはいらないがtwitterとブログとニュースくらいを利用する必要はある。となると、やっぱりBlackBerryでしょう。