R1 (G)----(G)R2(G)-----(G)R3(G)-----(G)R4(lo0)---9.9.9.9
eigrpのdistanceは、下記の式で求められる。
256 x (経路中の最低帯域幅 + 遅延の合計)
(本当は、K値の3, 4, 5も使うのだが、デフォルトでゼロなので省略)
「経路中の最低帯域幅」は、10,000,000 ÷ 帯域幅(Kbps) という値を使う。
10,000,000 kbps = 10Gbps なので、
10Gbpsのときに、1となる。
1Gbpsなら10、100Mbpsなら100・・・・ということである。
遅延の単位は10マイクロ秒である。
実際のルータ(といってもGNS3でエミュレーションしたもの)で
show interfaceを実行して、実際の帯域と遅延の値を見てみる。
R1#sho interfaces gigabitEthernet 2/0
GigabitEthernet2/0 is up, line protocol is up
Hardware is 82543, address is ca01.1bb8.0038 (bia ca01.1bb8.0038)
Internet address is 10.0.2.1/30
MTU 1500 bytes, BW 1000000 Kbit, DLY 10 usec,
・・・
R1#show interfaces fastEthernet 0/0
FastEthernet0/0 is up, line protocol is up
Hardware is i82543 (Livengood), address is ca01.1bb8.0008 (bia ca01.1bb8.0008)
Internet address is 192.168.1.254/24
MTU 1500 bytes, BW 100000 Kbit, DLY 100 usec,
・・・
ギガイーサは 帯域が1000000 Kbit、遅延は 10 usec
ファストイーサは 帯域が100000 Kbit 遅延は 100 usec
である。マイクロ秒の「μ」の代わりに「u」が使われている。
ループバックインタフェースはどうなっているか。
R4#sho interfaces loopback 0
Loopback0 is up, line protocol is up
Hardware is Loopback
Internet address is 9.9.9.9/32
MTU 1514 bytes, BW 8000000 Kbit, DLY 5000 usec,
帯域は、8Gbps、遅延は500マイクロ秒である。
遅延がなぜかずいぶん大きい。
というわけで、経路中の最低帯域幅は 10,000,000 / 1,000,000 = 10
遅延の合計は 1+1+1+500=503
ディスタンス = 256 * (10+503) = 131,328
となる。
show ip eigrp topology で表示される値と一致している。
R1#show ip eigrp topology
IP-EIGRP Topology Table for AS(1)/ID(200.0.1.1)
Codes: P - Passive, A - Active, U - Update, Q - Query, R - Reply,
r - reply Status, s - sia Status
P 9.9.9.9/32, 1 successors, FD is 131328
via 10.0.2.2 (131328/131072), GigabitEthernet2/0
via 10.0.1.2 (133632/131072), GigabitEthernet1/0
ちなみに、133632(フィージブルサクセサ)は、
1個のギガのI/Fの遅延を100に変更した経路である。
遅延が 503 → 512 となったので、ディスタンスは 256 * 9 大きくなっている。