iPhoneを使うようになってしばらくして、iPhoneでは「名前を付ける」という行為がほとんどないことに気づいた。ほとんどといったのは、アイコンを重ねたときに生成されるフォルダ名を変更できることが思い浮かんだからだ。だがそれ以外はiPhoneでファイルやフォルダに名前をつけた記憶がない。WEBで(safariで)、いいなと思う画像があったら、なんかのアイコンをタップして「Save image」とやると、画像は保存される。どのフォルダに、なんという名前でなどを指定する必要はない。画像を保存する場所は決まっているからだ。画像が保存されているフォルダをひらくと、サムネイルが表示される。名前はない。もちろん、拡張子なんかない。この仕組みになれると、Windowsで仕事をするのがめんどくさくなってくる。多くの会社はWindows XPとIEを使っている。Vista以降、ビジネスではMSの最新を追うことをしなくなった。一番大きな理由は「セキュリティ」なのだろうか。PCを使うことが非常におっくうになった。つまらなくなった。多少のバグやフリーズなどがあっても、新しいことがより速くかんたんにできるようになるのはおもしろかった。
しかし今は、コンピュータもネットワークも携帯端末も、重荷でしかなくなりつつある。コンピュータの導入後、かえって紙が増えたということが言われたが、それがようやくなくなって、ペーパーレス化がようやく実現できたと思ったら、また思わぬコンピューティングをはばむものの登場だ。人はそれを「コンプライアンス」と呼ぶ。